切り絵で顔を切るのは難しい

人間の表情ひとつで描かれた絵の物語や意味がかなり変わってしまう。
自分の創作意図通りに表現できたか否かは、モチーフの表情で決まるといってもいい。
どんなに線が美しく描けても、花一輪が上手に描けても、その絵の中に人の「顔」があると見る人の視点がそこに集中し、その表情から「この絵は何を意味しているのだろう? 何を語りかけているのだろうか?」と誰もが読み取ろうとします。

人間同士の付き合いでも表情が豊かな人とは、とても話しやすく話題も尽きませんが、比較的無表情の人と話していると用件だけ話してそれで終わりというパターンになることが多いと思います。

漫画、テレビドラマ、映画などを見てもその場面の登場人物たちの表情が物語の優劣を決めると言ってもいいでしょう。

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物語は目と口元に語らせる

筆やペンであれば、デッサンがあまり得意でなくても比較的自分が意図した通りの形に描くことは可能でしょう。
しかし切り絵となると少々勝手が違います。

例えば「目」は、左右の目尻やまつ毛など繊細な線を切る際にとても緊張します。刃先の角度がほんのわずか違うだけで、切ったときにできる紙の断面により人物の表情が全く異なってしまうのです。また一度切り損じてしまうとやり直すのが不可能な部位でもあります。

「口元」は表情を決める大切な部位です。「口元」を切る際には線の強弱を上手に判断して、均一の太さの線にならないように切ります。
笑った口元、怒った口元、まじめな口元などを均一の太さの線で切っても無表情であるのと変わりません。線の強弱をつけるのは肉感も感じさせることができます。

切り絵の人物になりきって制作すると上手に仕上がる

「目」や「口元」を切るときは、怖がって躊躇しながら切るとそれが観る人にも伝わってしまい本来の意図と異なったものになってしまいます。
切ると決めたなら思い切って切り進めることです。

私は作品を作る際は「目」と「口元」を先に仕上げることが多いです。切る際はどんなことをこの人物が語っているのか?描いた人物になりきり、その気持ちになってから切ります。

そうすることで、自分の意図したイメージ以上に、切った人物が語りかけ来るような気がします。

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