仏の目

グラフィックデザインを学んでいた美術専門学校時代、毎日のようにある作品制作の課題に追われて忙しい毎日を過ごしていた。

同級生より入学が遅かったこともあり、3歳~5歳ぐらい年齢が離れていた。
そんなこともあって、作品のクオリティでは負けたくないと、毎回必死で創作に取り組んだものだ。

そして定期的に作品の発表会と先生からの品評会があるのだが、ここで毎回必ず言われてしまうことがある。

「押岡の作品は3つぐらいに分解したらちょうど良い」と。

つまり、私の作品は創作のエネルギーをぶつけすぎて、見ているとエネルギーに圧倒されてしまうというのだ。
だからそのエネルギーを1/3ぐらいにすれば、ちょうど良いぐらいになると。

基礎的な人物デッサンにおいても先生から、「押岡はモデルの毛穴まで描きとろうとする」とよく言われた。

そんなつもりは無いのだけど、無意識に熱中してしまうようだ。

だからそれからは、足し算の作品づくりよりも、引き算の作品作りを心がけるようにした。

そして、その時代から20年以上の月日が経ったわけだが、未だに創作のエネルギーは当時と全く変わらない。

身体は老いていくのに、なぜだろうか?

切り絵の下書きを描いている時も、完成間近になるとそこから白黒のスペースのバランスを調整するようにしている。
それが引き算の作業。

つぎ込んだ創作のエネルギーを上手に調整できたら、いよいよ紙を切る作業に入る。

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